和歌山 県議会だより
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6月定例会の概況   ●議長・副議長就任のごあいさつ  ●常任委員会の構成
知事説明要旨/一般質問  ●特別委員会の構成  ●県議会各会派構成
可決された議案等/意見書  ●県議会からのお知らせ

知事説明要旨/一般質問

6月定例会より
6月7日に開会した本会議において、木村知事は議案の提案理由の説明とともに就任以来4年間を振り返り、スピード感を持って「改革の県政」を推進し、その任を遂行できたと評価しました。
質疑、一般質問は6月14日から17日までの4日間にわたり、18議員が登壇し、県政各般にわたる諸問題について、活発な論議が展開されました。また、6月22日には台風6号による県内の被害状況について、緊急質問がありました。主な質問とこれに対する知事や関係当局の答弁は次のとおりです。

知事説明要旨(6月7日)
木村知事は、県政の動きについて、次のように報告しました。

【三位一体の改革】
平成16年度予算については、各省庁の都合で国庫補助負担金の廃止・縮減や地方交付税が削減されるなど、地方財政の自立に向けた改革の実現からは大きくかけ離れた結果に終わってしまいました。平成17年度予算については、同じ轍を踏むことのないよう全国知事会等を通じ、国に対して提言してきたところであり、結果として、6月4日に閣議決定された「骨太の方針第4弾」には、平成17・18年度の2年間で概ね3兆円規模の税源移譲を目指すことが明示されました。今後は、税源移譲の内容や地方交付税改革についても、地方の意見が十分反映されるよう働きかけていきます。

【緑の雇用と「企業の森」】
4月29日に小泉首相が本県で実施している緑の雇用事業の現地視察のため来県しました。
緑の雇用事業の現在までの取り組み状況としては、平成15年度は県内448人、県外275人が就労しており、そのうち216世帯、355人が県内に定住する見込みとなっており、過疎化・高齢化に悩む山村地域の活性化への取り組みが着実に成果を上げています。
また、「企業の森」事業についても、NPO法人である「和歌山野球振興協会・夢クラブ」と「原風景」が、この事業を活用して花園村に進出しました。

【「農業やってみようプログラム」に関する協定の締結】
農業の担い手の確保、育成を目的として、行政機関と民間企業が協働で推進する全国初の試みとして、人材派遣大手の(株)パソナ等が参画する「(株)関西雇用創出機構」及び「(株)関東雇用創出機構」と6月10日に協定を締結し、一層積極的に推進していきます。

【産業の振興】
依然として厳しい経済環境の中で、研究開発から事業化、販路開拓に至る一貫した支援体制の強化が望まれており、6月1日に「(財)和歌山テクノ振興財団」と「(財)和歌山県中小企業振興公社」を統合して、「(財)わかやま産業振興財団」を設立し、その強化を図りました。今後は産業支援課と新財団が密接な連携を推進し、企業本位のワンストップサービスを積極的に推進していきます。

【和歌山県立情報交流センターBig・U】
IT総合センターは、本年10月の竣工に向けて順調に工事が進められており、施設全体の正式名称を全国に募集し、「和歌山県立情報交流センターBig・U」と決定しました。
また、県立情報交流センターは、平成17年1月に運営開始を予定しており、管理運営について民間のノウハウを積極的に活用するため、管理主体を公募します。

【その他】
うめ研究所の開所、日高港の暫定供用の開始、中国山東省の訪問、県立医科大学の地方独立行政法人化などについても報告しました。






質問および答弁要旨
●中国山東省の訪問
山東省との友好20周年を記念し、県民の皆さんや県議会議員の方々と山東省を訪問しました。中国は行くたびにどんどん変わる状況で、20年前に友好関係を結んだときとは明らかに違った状況です。これから山東省は、和歌山県の産品を買ってもらう市場となりますし、山東省からの観光客を迎え入れることも目標となります。
また、この夏からは県と山東省で職員の人的交流も始まります。

●国民保護法制と有事関連法案
地方公共団体は住民の生命、身体及び財産を保護する本来的責務を負っています。有事の際においても住民生活に及ぼす影響が最小となるように対処し、住民の避難、救援などを円滑に実施する必要があると考えています。
県行政においては、県民の平和で安全な暮らしを念頭に取り組んでいますが、万一の場合に備えて、国民保護法制等の法整備も重要と考えます。

●県立医科大学の独立行政法人化
県立医科大学の独立行政法人化については、「県立医科大のあり方懇談会」の提言を受け、「医大改革推進会議」を設置して検討を重ねてきました。その結果、大学改革を推進し、その機能を一層発揮するためには、地方独立行政法人制度の活用が有効であるとの結論に至りました。
紀北分院の医療環境整備については、設置者の責任を明確にしつつ、大学全体の法人化の中で新たな機能のあり方等と併せて検討します。

●三位一体の改革
平成16年度の三位一体の改革については、確かに税源の移譲もあったが、補助金のカットに見合うものでなく、非常に不満足なものであり、県も市町村も財政運営に苦労する状況となっています。また、地方交付税に関しても、簡素合理化の美名の下に一方的に減らされています。平成17年度もこういった方針であれば、これまで以上に支障を来すことになるので、全国知事会など機会をとらえて発言していきます。

●市町村合併
地方交付税依存が高い市町村にとって大きな効果があるため、できる限り法期限内の合併が望まれるが、各市町村の自主性を尊重する必要があります。
二次合併を念頭に置いた新法も成立し、この流れの中で法期限内に基礎となる合併をすることは有意義であり、また、新法では合併推進に係る勧告を含め県の役割が強化されており、住民福祉の維持向上や地域全体の発展という大局を見据えた議論が行われるよう助言します。

●PFI事業
平成11年に「民間等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」が制定され、導入の可能性を全庁的に検討するため、研究会を設置し、公営住宅への導入可能性について調査しました。事業採算性の問題等もあるが、国の「地域再生推進のためのプログラム」でも積極的な活用策が検討されており、今後とも情報収集に努め、積極的に研究します。

●コスモパーク加太へのトマト菜園誘致
コスモパーク加太の利活用については、本県にとって極めて重要な課題であり、カゴメ(株)に賃貸して、カゴメ(株)がトマトを生産することになりました。賃貸価格の設定にあたっては、県議会の「コスモパーク加太対策検討委員会」からの「民間企業には相当思い切ったインセンティブを導入すべき」との報告も踏まえ、雇用者数・経済波及効果等を勘案して決定しました。カゴメ(株)の誘致に伴うトマト生産農家への影響については、非常に重く受けとめており、できるかぎり共存が図れるよう努めています。

●高野・熊野世界遺産を世界平和の舞台に
世界遺産を認定する「ユネスコ」は教育・文化の振興を通じて世界の平和と福祉に貢献することを目的として設置された機関であり、世界遺産に登録されることは、平和のシンボルとして位置づけられることでもあります。古来より高野・熊野地域は争いの勝者、敗者のいずれをも受け入れ、癒し、その心に平和をもたらす地域であり、世界遺産登録後は世界的なレベルで注目されることから、国際的な視野をもって平和の尊さをアピールします。

●紀州よさこい祭りと世界遺産登録
高野・熊野世界遺産は7月初旬に決定される見込みですが、7月25日に開催される紀州よさこい祭りは県民の皆さんに知っていただくよい機会です。祭りの中での位置づけや、PRの方法を検討し、世界遺産の意義、保全や活用についてアピールします。

●和歌山の部落史について
同和問題については、確かに法律は失効したが、未だに差別事象はあり、行政としては、差別事象がある限り対応していく必要があります。
和歌山の部落史研究につきましても、県内には近世の差別問題に関する文書がたくさん残っており、それを調査し、まとめておく必要があります。また、研究は同和問題解決のために必要な取り組みの一つと考えておりますが、それ以上に、学問的研究、日本の社会構造の解析と認識しています。

●紀南地域の廃棄物問題
紀南地域においては、廃棄物処理施設の不足から処理を県外に頼らざるを得ない状況であり、平成14年11月に産業界、市町村と「紀南地域廃棄物処理促進協議会」を設立し、広域的な見地から検討を進めています。
資源化、減量化を徹底しても、なおかつ発生する残渣の最終処分場の確保については、候補地群の選定、事業主体のあり方について、本年度中に結論を出す方向で検討し、「百年経っても美しい紀南」であるよう積極的に県としての役割を果たします。

●介護保険制度の現状と今後の対応
高齢化の進展に伴う介護費用の増嵩や痴呆性高齢者の増加等により、介護サービスの質の向上、痴呆ケアの確立など様々な課題が出てきています。
特に「高齢者の自立支援」に向けた介護予防が重要であり、本年度に県・モデル町・和歌山大学が協働で、筋力トレーニングの考え方を取り入れた「わかやま高齢者運動推進事業」を実施し、この事業で蓄積されたノウハウを県内の市町村、介護事業者に提供・普及することにより、介護予防の更なる推進を図ります。

●青みかんの活用
青みかんを活用した新産業の創出については、大変関心があります。特に収穫前の未成熟のみかん、いわゆる摘果みかんを原料として利用するものであり、みかんの新たな需要を開拓するものと思われます。こういった発想が今の時代には貴重だと思います。北山村のジャバラもそうだったが、ジュースが花粉症に効くと報じられた途端に品不足となりました。青みかんの錠剤もそうなれば和歌山県を支える産業になる可能性があり、PRに努めるとともに支援していきます。

●南高野街道(国道370号)の早期整備
国道370号は地域の産業、生活を支えるとともに高野山へのルートとして重要な路線です。現在、海南市重根の拡幅、美里バイパス等を重点的に整備しています。
未整備区間が多く残っていますが、山間部については少ない費用で効果が発揮できるよう、いわゆる1.5車線道路として整備を進めます。

●景観法の成立と棚田の保全
高野・熊野が世界遺産に登録される時期に合わせて、景観法が成立したことは和歌山県にとって、非常に意義深いことです。今後、和歌山県が景観法のモデル地区になるよう対応していきたいと考えています。特に棚田の保全については、農業生産の現場であると同時に景観あるいは環境の意味が非常に大きくなってきているので、景観法を通じて保全が図られると言うのは非常に好ましいと考えます。

●ナショナル・トレーニングセンター構想の推進
ナショナル・トレーニングセンターの誘致については、教育委員会を中心に取り組んでおり、昨年11月に副知事を会長とする誘致委員会を設置し、文部科学省やJOCなどに働きかけを行ってきました。和歌山県セーリング連盟所属の吉迫・佐竹ペアが今回のアテネ五輪代表の座を獲得したことなどを踏まえ、一層働きかけを強めていきます。

●高野・熊野世界遺産の保護管理
熊野古道は歴史性もあるが、やはりすばらしい自然が魅力です。
人がたくさん来るということはありがたいことだが、その自然とか景観が毀損されるという危険性もはらんでいます。心ないハイカーからかけがえのない資産を保護するため、三重、奈良、和歌山の3県で巡礼路の特性を理解し、守るべき「参詣道ルール」を作成中です。

●根来寺坊院跡の発掘調査
根来寺坊院跡は、我が国中世の歴史の中でも、極めて重要なものと認識しています。岩出町で見つかった湯屋及び子院跡の遺構は保存状態も良く、価値の高いものと思われます。また、大門池についても、岩出町が発掘調査をしており、結果に注目しています。

●台風6号に係る農作物の被害状況と対策
6月21日現在把握している農林水産部関係の被害は、20億5,950万円となっており、うち農作物の被害は20億2,150万円、中でも収穫期の梅、桃については被害が大きく、梅は約10億円、桃で約6億円となっています。
農家の経営安定のため、緊急融資対策を講じるとともに、農業共済金の速やかな支払いについて、農業共済団体を指導します。

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