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人権連載 まずは正しい理解から ハンセン病を正しく理解する週間(6月20〜26日) ハンセン病とは ハンセン病は「らい菌」の感染で発病する感染症です。手足の運動まひを起こし皮膚が侵される病気で、その後遺症や国の隔離政策によって「怖い病気」として社会に定着したことから偏見や差別を受けてきたという歴史があります。 近年、研究により発病の過程や細菌自体の特徴が判明してきました。感染力は極めて弱く、たとえ感染しても発病までには長い時間を必要とし、また、多くの人は発病せずに生涯を終えることが分かっています。 ここ数年、国内では年間数名の患者が発生していますが、これは過去の感染により後年に発病したと考えられています。現在、日本では衛生環境や栄養に恵まれ、早期治療の実施や未治療患者がいないことなどから新たな感染の心配はありません。 偏見や差別をなくすために ハンセン病というだけで社会との隔離政策を行ってきた「らい予防法」が、平成8年に廃止されました。平成13年には、国はこの誤りを認め、元患者に謝罪しています。 しかし、誤解に基づいた偏見や差別が未だに残っています。療養所入所者の一人は「本当に怖いのは、らい菌ではなく、私たちの苦悩から目をそらして見ようとしない社会なんです」と言っています。 そうした現実があるため、元患者は未だに気軽に故郷に戻れずに療養所で暮らしているのが実態です。そのため、県では国立療養所で暮らす和歌山県出身の元患者に、ふるさとの言葉や景色に触れ、その移り変わりを感じてもらおうと、今年も5月に里帰りをしてもらいました。 病気にかかったことで差別されることがあってはなりません。偏見や差別をなくすために私たち一人ひとりが、ハンセン病の歴史を知り、病気を正しく理解していくことが大切です。 問い合わせ先:県庁健康対策課 |
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