県民の友ホームページ12月号
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人権連載

依然として残る部落差別

同和問題は未だ解決していない

「同和問題の解決は国民的な課題であり、同時に行政の責務である」との認識のもと、道路・住宅など生活環境の改善や教育啓発等の実施により、これまで一定の成果を挙げることができたと言えます。
しかしながら、平成12年に実施した県民意識調査では、「あなたの周りにどのような差別があると思いますか(複数回答可)」という質問に対し、「部落差別」と答えた人が一番多く40.3%もありました。実際に、差別的な落書きやインターネットへの書き込み、結婚に際しての身元調査や親族等の反対による婚約解消といった差別事件が依然として発生しており、差別意識が根強く残っているのが現実です。

部落差別はつくられた差別
同和問題は、わが国の歴史の中で「制度としてつくられた身分差別の問題」であるということが、他の人権問題(女性、子ども、高齢者、障害のある人などの人権問題)とは異なる点です。一定の地域に住んでいることで、あるいは、その地域の出身であるという理由だけで、人として何ら違いはないのに差別する。考えてみてください。それが、いかに道理に合わない無意味なことであるかがわかるはずです。

人権とは、人間として自由に生きて、幸せに暮らす権利であり、部落差別は人権侵害の最たるものの一つであることは言うまでもありません。先の県民意識調査で、部落差別が残されてきた原因として最も多い答えは、「昔からあるから」「世間体を気にするから」というものでした。今一度、部落差別は「つくられた差別」であるということ、そして、他人の人権を守ってこそ、自分の人権も守られるんだということを再認識し、一人ひとりが同和問題を自分自身の問題としてとらえることが求められます。一日も早く差別のない社会を実現するために…。

「ふれあい人権フェスタ2003」での展示
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