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食の安全・安心
プロジェクト実施中!

近年、O-157(腸管出血性大腸菌)による集団食中毒や大手乳業メーカーの大規模食中毒、BSE(牛海綿状脳症)の発生、食品の偽装表示、無登録農薬の使用など、食品にかかわる事件・事象が相次いで起こり、それに伴って「食」に対する消費者の不安と関心が高まっています。
そうした中、県では昨年4月に「食の安全局」という部署を新たに設置し、生産者や製造・加工業者、流通業者、及び消費者の協力を得ながら食品の安全確保に取り組むとともに、食の安全に関してできる限りの情報提供に努めています。
国や県の認証・承認制度
農作物

エコファーマー
たい肥※等による土づくりを基本に、化学合成農薬と化学肥料を減らす努力をしている農家で、そうした栽培に取り組む計画をつくって知事から認定を受けた農家のことです。県内には、平成15年11月末現在、434人のエコファーマーがいます。


エコファーマー

和歌山県特別栽培農産物
化学合成農薬と化学肥料の使用を通常栽培の半分以下に抑えるなど、県が定めた基準に適合した農産物を認証しています。平成15年11月末現在、県内で205件の特別栽培農産物が認証を受けています。


和歌山県特別栽培農産物
有機農産物
3年以上の間、化学合成農薬と化学肥料を使用せず、たい肥等で土づくりを行った農園で栽培するなど、国の基準に合格した農産物をいい、「有機JASマーク」が付けられます。このマークがないと、「有機」や「オーガニック」の表示はできません。

※たい肥
草、わら、家畜排せつ物などを積んで発酵させた肥料



有機農産物
環境にやさしい方法でミニトマト栽培
グリーン日高農業協同組合
グリーン日高農協では、平成15年3月、ミニトマトの栽培で52人の組合員がエコファーマーの認証を受けました。「この辺では、以前からたい肥やぼかし※を使いながら栽培してきましたが、認証を受けて良かったと思うのは、改めて自分たちはエコ農業をやっているんだという意識を持てたことです。」と同農協営農指導課の岡本朗さん(写真奥)。「有機肥料のほか、農薬の代わりに害虫の繁殖を抑える黄色いテープを使ったり、トマトの実をつけるための交配も、ホルモン剤によるのではなくハチのちからを借りているんですよ。」
組合員の稲葉伸一さん(写真手前)は、「減農薬で栽培するのは、やはり大変です。でも、消費者の食の安全に対する関心・要求が高くなってきているので、そのうちエコ栽培のものじゃなければ売れなくなると思いますね。」と話しています。

※ぼかし
米ぬかや油かす、鶏ふん等を混ぜて発酵させた肥料



加工食品

HACCP
HACCP※とは、最終製品の抜き取り検査による従来型の衛生管理の方法ではなく、まず、原材料の調達から製造、出荷までの各過程の中で、食中毒菌など人の健康を害する要因の発生を防止するために重要な箇所を見つけ出し、そこを重点的に監視・記録することで、一層の安全性を確保する衛生管理の方法です。
国では、HACCPを導入した食品製造について、「総合衛生管理製造過程」という名称の認証制度が設けられています。

※HACCP
Hazard(危害) Analysis(分析) Critical(特に重要な) Control(管理) Points(点)の略で、危害分析重要管理点方式と訳されています。

日々HACCPの精神で仕事をしています
和歌山ノーキョー食品工業株式会社
清涼飲料水のメーカーである同社は、平成15年9月、海南工場の2つの製造工程でHACCPの認定を受けました。工場長の大隅康司さんは、「ここでは年間1,500万箱の清涼飲料水を製造しています。『無殺菌・無除菌』で製造する工程では、炭酸ガスを注入する際の“製品温度とガス圧”を重点的に管理しています。もう一つの『密栓・密封後殺菌』する工程では、殺菌するための温水シャワーの“温度と時間”です。また、原料の水は、1ミクロン以下のフィルターを導入して、さらに衛生的なものを使っています。」と説明してくれました。HACCPの承認を受けるために一番苦労したことを尋ねると、「280人の従業員にHACCPの考え方を浸透させるための内部研修は大変でしたね。それを乗り越えて、全従業員が製品の衛生管理の面でも自信を持てたことが一番の成果だと思っています。」

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トレーサビリティ制度
トレーサビリティは、英語のトレース(追跡)とアビリティ(可能性)の合成語で、「生産、処理・加工、流通・販売」の各段階で、「いつ、どこで、だれが、どのように」といった食品についての情報を追跡し、さかのぼって特定できるという意味です。
県では、食の安全と消費者の安心を確保するため、このトレーサビリティ制度を早急に整えられるよう、農業協同組合をはじめ関係団体等との協議を具体的に進めています。

法制化で先行スタート 牛トレーサビリティ制度
牛肉の安全性に対する信頼確保やBSE※のまん延防止措置の的確な実施を目的として、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」が平成15年12月1日に一部施行されました。

※BSE
牛海綿状脳症という牛の病気で、ウイルスより小さい感染因子である「異常プリオン」を含む飼料などを食べることによって感染します。接触や空気を介してうつることはなく、通常2〜5年の潜伏期間を経て発病します。


制度の概要

1 耳標装着
国内で生まれたすべての牛と輸入牛に、10桁の個体識別番号が印字された耳標が装着されます

2 牛個体情報のデータベース化※ 法施行平成15年12月1日
個体識別番号によって、その牛の性別や種別(黒毛和種など)に加え、出生から食肉にするためのと畜・解体処理までの飼養地などが記録されます

※データベース化
情報を取り出しやすいように整理して蓄積すること


3 番号の表示と記録 法施行平成16年12月1日
枝肉、部分肉、精肉と加工され流通していく過程で、その取引に関わる販売業者等により、個体識別番号が表示・伝達され、仕入れの相手先などが帳簿に記録・保存されます

4 インターネットで生産履歴を公開
消費者は、個体識別番号により、インターネットを通じて出生以来の生産流通履歴を調べることができるようになります

牛個体情報の例

個体識別番号 生年月日 性別 種別 母牛の個体識別番号
1234567890 H12.05.21 オス ホルスタイン種 0000654321

飼養地 異動内容 異動年月日 住所 氏名・名称
岩手県 出生 H12.05.21 盛岡市 家畜改良センター岩手牧場
岩手県 転出 H12.05.29 盛岡市 家畜改良センター岩手牧場
福島県 転入 H12.05.29
福島県 転出 H15.08.08
東京都 転入 H15.08.08 港区 東京都立 芝浦と場
東京都 と畜 H15.08.09 港区 東京都立 芝浦と場
※住所、氏名・名称は、施設等の同意がある場合のみ公開します

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食品表示
食品の表示は、消費者が食品を購入するとき、食品の内容を正しく理解し、選択したり、適正に使用したりするうえで重要な情報源となっています。

表示対象食品 表示の目的 表示しなければならない事項
すべての生鮮食品、加工食品、玄米・精米
【JAS法】
○消費者の商品選択に資するための表示
●名称、原産地(輸入品の場合は原産国)名、原材料名、食品添加物、保存方法、内容量、消費期限または賞味期限※1、製造者または販売者(輸入品にあっては輸入業者)の氏名または名称及び住所、その他必要な表示事項
●遺伝子組換え食品※2、有機食品に関する事項
●その他食品分類毎に品質表示基準が定められている場合は、その事項
容器入りや包装された加工食品(一部生鮮食品を含む)、鶏卵
【食品衛生法】
○品質に関する適正な表示
○衛生上の危害発生防止
●名称、使用添加物、保存方法、消費期限または賞味期限※1、製造者氏名、製造所所在地等
●アレルギー食品※3、遺伝子組換え食品※2、保健機能食品に関する事項
加工食品で、栄養表示する場合
【健康増進法】
○健康及び体力の維持向上
○効果についての虚偽誇大広告等の禁止
●栄養成分、熱量 等
※1消費期限または賞味期限
弁当や惣菜など品質の劣化が早い(製造後おおむね5日以内)食品には「消費期限」、缶詰やスナック菓子など比較的長く品質保持される食品には「賞味期限」と表示されます
※2遺伝子組換え食品
大豆、トウモロコシ、ばれいしょ、ナタネ、綿実の5種類の農産物、及び大豆、トウモロコシ、ばれいしょを原料にした加工食品(30品目)で遺伝子組み換え食品である場合には、その旨の表示義務があります
※3アレルギー食品
卵、小麦、そば、落花生、乳の5品目を含む食品には、それが原材料に含まれることの表示義務があります(ほかにも表示を奨励する物質が19品目あり)

和歌山県食品表示ウォッチャー
平成15年度に新たに設けた制度で、県内各地で計40人の方々に依頼し、最初に食品表示に関する研修を受けていただきました。ウォッチャーの皆さんには、買い物等の日常生活を通じて、定められた項目の表示がないなど不適正な表示があった場合は県に報告してもらいます。

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こんなこともやってます

食品検査
食品衛生法に基づき、食品衛生監視員が必要に応じて小売店等から収去または買い上げ、県環境衛生研究センターにおいて、残留農薬や食品添加物、残留抗生物質、食中毒菌等の検査・分析を行っています。基準を超えるものや混入してはならないものが検出された場合は、その事実を公表するとともに、食品の回収・破棄を命じることができます。今後さらに、この監視・検査体制を強化することとしています。

「確かめよう! 食の安全」バスツアー
県内の生産者や流通関係者等が食の安全や表示に関してどのような取り組みをしているのか、現地で見て、聞いて理解と知識を深めていただくため実施しています(今年度分は申込を締め切りました)。









「確かめよう! 食の安全」講演会参加者募集
テーマ 「農薬と食生活について」
講 師 (財)雑賀技術研究所 食品化学部長 佐藤元昭氏
日 時 1月20日(火)13:30〜15:30
場 所 アバローム紀の国(和歌山市)
定 員 160人(当日、会場で受付)
※保育ルームあり(事前申込必要、対象は1歳〜小学2年生)
問合せ 県庁県民生活課 電話073-441-2345

インターネットで情報提供 食の安全・安心わかやま
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/



和歌山県食の安全推進体制
行政、関係業者、県民の皆さんが一体となって、食品の安全確保による県民の健康危害回避と、県産品の安全確保による消費者の信頼獲得をめざします。



問い合わせ
食の安全推進本部事務局(県庁食品安全企画課) 電話073-441-2634

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