高野山への参詣道はいくつかありましたが、空海が切り開き、最も利用された高野山への参詣道が「高野山町石道」として多くの人が訪れています。
沿道には一町(約109m)ごとに、金剛峯寺の中心である壇上伽藍からの距離を刻んだ町石が建てられています。
町石は、花崗岩の四角柱の頭部を五輪塔形にして、側面には壇上伽藍からの町数と密教の金剛界三十六尊と胎蔵界百八十尊の梵字、寄進者の名前、建立の年月日や目的が彫り込まれています。
町石道の出発地点となるのが高野山の麓、紀ノ川の南岸にある慈尊院です。
慈尊院は、金剛峯寺の建設と運営のために創建された寺院で、参詣者が一時滞在するところともなり信仰を集めてきました。
境内には、彌勒堂を中心として複数の堂塔が立ち並んでいます。