小辺路のルートは文献が少なく一部不明なところがありますが、金剛三昧院わきの林道から始まります。
高野山から大滝をへて龍神スカイラインと平行するように南下、水ヶ峰付近で龍神スカイラインと出会います。古道は再び参詣道に入り、心地よい山道を大股橋詰バス停に出ます。
小辺路は、中辺路などのような鬱蒼とした杉木立の中を歩く古道のおもむきとは違い、高い峰を越えるひと味違った風景を楽しむことができるルートです。
古道は伯母子峠、三浦峠と1000mクラスの峠を越え十津川温泉近くに出ます。十津川村の歴史は古く、神武天皇御東征の時に道案内をしたという八咫烏が祖先ともいわれています。
この付近には西国三十三カ所観音霊場の石像が旅人を守るように道中に点々と並んでいます。
観音石仏に守られながら、苔むした石畳の道を歩み、標高1114mの果無峠を越えます。峠を越えれば熊野川の流れも遠望でき、いよいよめざす熊野本宮大社の霊域が近づいたことを思わせます。